昨日(6月3日)「神奈川県立美術館 葉山」で「アルベルト・ジャコメッティ‐矢内原伊作とともに」を見た。
やっと待望の展覧会が開催されました。開催初日ということでマスコミ関係者や招待客もいっぱい来ていました。でも、人だかりで見ることができないと言った感じではありません。けっこうじっくり見ることができました。この美術館は昨年5月に片岡球子展に行って以来、1年ぶりの訪問ですね。 アルベルト・ジャコメッティAlberto Giacometti(1901-1966)は若かりし時、心惹かれた彫刻家です。極限までそぎ取った彫刻表現に感動しました。作品集を買って眺めていた記憶があります。その後も結構意識して追いかけてきましたが、まとまった形で実物を拝見するのは今回が初めてです。 今回はジャコメッティ財団の協力を得て彫刻、絵画など140点以上の展示とのことです(内、彫刻は41点ですね)。 まず、「初期/キュビズム、シュルリアリズムを経て」ではジャコメッティの初期の作品の展示です。浮世絵の模写、古代造形の影響を受けた彫刻作品など興味深い作品が並んでいました。ここではやっぱり「歩く女Ⅰ」に惹かれました。 次に「モデルたち-ディエゴ、アネットを中心に」では、ジャコメッティの中心的主題の人物像の彫刻や絵画、デッサンが展示してあります。針のように細長くなったり、平面に限りなく近づいたおなじみの彫刻が並んでいました。このコーナーでは「ディエゴの胸像」に惹かれました。 更に「ヤナイハラとともに」では矢内原伊作に関する彫刻や絵画、デッサンが展示してありました。今回の展示会の目玉コーナーだけあって充実した展示でした。9点の油彩画と2点の石膏彫刻、そして数々の素描が展示してありました。特に2点の石膏彫刻「ヤナイハラⅠ」「ヤナイハラⅡ」はすばらしかったですね。 最後に「空間の構成と変奏-人物、静物、風景、アトリエ」ではジャコメッティの幅の広さを示す作品が展示してありました。特に「台上の4つの小彫像」や「鼻」などの彫刻に惹かれました。 非常に充実した展示でした。そして彫刻だけでなく、絵画(油彩画)の作品にも惹かれました。完成品からはてしなく遠いこれらの油彩画もいろいろ考えさせられますね(宣伝文によれば、セザンヌ以降に展開された絵画の実験の極北に位置するそうです)。 図録を買いましたので、読んでから感想続けます。
by daisenhougen
| 2006-06-04 06:46
| 鑑賞記-展覧会
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