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雑誌「芸術新潮7月号」を拾い読み

 雑誌「芸術新潮7月号」(新潮社)を拾い読みした。今月はジャコメッティの特集号です。
 展覧会もとっくに見てきたし、図録も読んでしまったですが、今頃になって特集号を入手しました。そういえばNHKの日曜美術館でも特集やっていたり、日経新聞にも紹介が載っていたりと、ようやく盛り上がってきたんでしょうか。うれしい限りですね。
 今回の特集は保坂健二朗(1976-)さんをナビゲーターとして構成されています。保坂さんは東京国立近代美術館の研究員とのことです。
 まずは「ジャコメッティについて知りたい六つのこと」として「マザコンだったって本当ですか?」、「パリでの生活について教えてください」、「なぜ写実に戻ったのですか?」、「どうして細い彫像ばかりなのでしょう?」、「画家ジャコメッティの腕前は?」、「モデルとの親密な関係がアヤシイです」と豊富な写真とともにジャコメッティを紹介しています。結構突っ込んだところまで論じていますね。少しはジャコメッティの理解が深まった気もします。自分は展覧会で実際の作品を見ながら、一体何見てたんだと思ってしまう点もありました(反省)。
 次はナビゲーターとの対談で、鷲見和紀郎さんと「あの細い人体は、じゅうぶんボリュームがあるんです」、青木淳さんと「彼のつくる空間は、建築家とは似て非なるもの」、鈴木理江子さんと「ベケットも彼も、不可能なところからしかはじめてませんよね」となっています。この中ではさすがに彫刻家だけあって鷲見和紀郎さんの発言は重みがありますね。針金のように細い彫刻を指して表題のようにボリュームを指摘するとか、鋭いですね。
 最後にナビゲーターがジャコメッティの故郷への旅行記「この素晴らしき世界――アルプスの故郷を訪ねて」で終わってます。こっちは付け足しって感じですね(雑誌のお作法でしょうかね)。
 75ページの特集でした。写真も鮮やかで綺麗ですし(図録なんかよりずーっと作品を捉えている写真たちです)、展覧会に展示されていない代表作の写真も紹介してくれていますし、充実していますね。
 こんな特集読んでしまうと、もう一度、ジャコメッティ展を見に行きたくなっちゃいますね。葉山では7月30日までやっているし、もし行けない時は川村記念美術館で10月10日-12月3日まで巡回するようなので、どちらかには再訪したいですね。

by daisenhougen | 2006-07-04 06:56 | 雑誌など
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