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水谷驍「ジプシー」(平凡社新書)を読む

 水谷驍「ジプシー 歴史・社会・文化」(平凡社新書)を読んだ。
 著者の水谷驍(ただし)(1942-)さんは東欧関係の研究者のようですが、小生ははじめて読む著者です。
 目次を写しておきます。はじめに、第一章 ジプシーと呼ばれる人びと、第二章 ジプシー像の変遷、第三章 歴史──主流社会のはざまで、第四章 ジプシーの現在──いくつかの事例、第五章 日本とジプシー、おわりに、主要参照文献一覧、あとがき、ジプシー関連年表。
 小生、ジプシーについてはほとんど知識もなく、関心すらありませんでした。まさしく、この本の冒頭にあるように流浪の民とか音楽上の知識ぐらいしかありませんでした。ただ、四方田犬彦さんの「見ることの塩 パレスチナ・セルビア紀行」の中で、少し触れられているのを読んで、少しまとまった本を読んでみたいと思っていました(この時はじめてロマという呼称も知りました)。今回ようやくその機会に恵まれました。
 ジプシーGypsy の語源は「エジプト人 Egyptian」だとか、世界に1000万人以上いると推計されるとか、アメリカの奴隷解放後もヨーロッパで奴隷として扱われ続けたとか、ナチスや共産国での弾圧まで目から鱗の連続でした。あらためて自分の世界情勢に対する無知さ加減に恥じ入るばかりですね。

by daisenhougen | 2006-07-27 06:43 | 読書-詩歌小説評論他
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