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映画「父親たちの星条旗」を見る

d0001004_7321830.jpg 昨日(10月29日)「シネチッタ」で映画「父親たちの星条旗」(FLAGS OF OUR FATHERS)を見た。
 2006年。アメリカ。ワーナー・ブラザース。
 監督:クリント・イーストウッド、脚本:ポール・ハギス、出演:ライアン・フィリップ 、ジェシー・ブラッドフォード 、アダム・ビーチ他。
 「太平洋戦争最大の激戦地といわれる硫黄島・擂鉢山に星条旗をを打ち立てた6人の兵士の死闘と、生き残った3人のその後の人生を描く」とのことで、この後で公開される、日本側からの視点で描いた「硫黄島からの手紙」との2部作です。
 あの有名な旗を打ち立てる写真とモニュメントの真実秘話ってやつです。
 さすがにクリント・イーストウッドとポール・ハギスとの「ミリオンダラー・ベイビー」コンビはまたもや傑作を世に送り出してくれましたね。ただただ脱帽です。
 まず、硫黄島での激戦シーン。戦闘の悲惨さを変な感傷を排して、ひたすらリアルにかつ冷徹に描いています。愛国心なんて吹っ飛んでしまってますね。
 次に、戦時国債募集のために英雄としてアメリカ中をまわるシーン。変にパロディとせずに華やかにかつ淡々と描いています。
 そして、数十年後、年老いたドックが死ぬ間際のシーン(現在)。
 その時間を隔てたシーンを複雑に交差させながらも、見た印象は極めてシンプルに作り上げています。凄い力量だと思いましたね。たまたま先週見た「ブラック・ダリア」などのゴタゴタした印象と比べると力量差は歴然としていますね。
 しかもハリウッド映画にありがちな、ナショナリズムを煽ることとは無縁の作り方です。ハリウッド映画で日本との戦争をこんなに公平に描いたのを見たのは初めてです。素晴らしいですね。これだけ公平に戦争を描く姿勢は生半可じゃありませんね。
 見終わると、ずっしりしたものが残ります。まさに映画を見たといった感じでの作品です。こういった感じはめったに味わえるものではありません。
 今年、そんなに大した本数の映画を見たわけではありませんが、本年の最良の作品の中の一本ですね。
 姉妹作の「硫黄島からの手紙」の公開が待ち遠しいです。

by daisenhougen | 2006-10-30 07:31 | 鑑賞記-映画
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