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原聖「ケルトの水脈(興亡の世界史07)」を読む

原聖「ケルトの水脈(興亡の世界史07)」を読む_d0001004_12495783.jpg 原聖「ケルトの水脈(興亡の世界史07)」を読んだ。
 講談社、2007年07月17日第1刷、2,415円、四六変型、383頁。
 目次を写しておきます。第1章 「異教徒の地」の信仰、第2章 巨石文化のヨーロッパ、第3章 古代ケルト人、第4章 ローマのガリア征服、第5章 ブリタニア島とアルモリカ半島、第6章 ヒベルニアと北方の民、第7章 ノルマン王朝とアーサー王伝説、第8章 ケルト文化の地下水脈、第9章 ケルトの再生。
 著者の原聖(1953-)さんは近代言語社会史専攻の女子美術大学教授とのことです。
 EU統合の動きにあわせて、「ヨーロッパ独自のアイデンテイテイの基礎づけとして脚光を浴びることになったのが、ケルト文化」とのことで、ヨーロッパでは一種のケルトブームが起きているようです。
 そういった流れの中で、ケルトといったものを正確に日本に紹介しようという試みのようです。 ただ、政治的バイアスを避けながら、ケルトをとらえるのはかなり難しいようです。古代ケルトと現代の脚光を浴びているアイルランドを中心とするケルト語文化圏の間の断絶はいかんともしがたいものがあるようです。
 そこで著者はフランスのブルターニュ地方を中心として、それらの統一した視野でとらえようとしているようです。
 わたしには知らない知識がいっぱいつまっていて、結構愉しんで読むことができました。
 ただ、わたしのような素人には、この本を読み終わっても「ケルト」に対するイメージの混乱はかえって深まった様な気がします。原さんのチョット遠慮がちな記述がものたりなかったですね。

by daisenhougen | 2007-08-04 06:48 | 読書-詩歌小説評論他
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