昨日(10月06日)「東京国立近代美術館」で展覧会「平山郁夫 祈りの旅路」展を見た。
喜寿を記念して初期から最新作までを集めた回顧展とのことです。「仏陀への憧憬」、「玄奘三蔵の道と仏教東漸」、「シルクロード」、「平和への祈り」といった区分で80点ほどの展示とのことです。 わたしが近代以降の日本画の作品を間近に見て、日本画って本物はこんなに緻密で精巧なものかを気づかせてくれたのは平山さんの作品です。 それ以来、機会あるたびに日本画の展覧会に足を運ぶようになったのですから、感謝しても感謝しきれないですね。 でも、最近は平山さんの作品を見ても、ちっとも感激しなくなりました。 以前は、平山さんの展覧会があれば欠かさず見に行ったのですが、最近はとんとごぶたさしていました。 でも、初期から最新作まで拝見できると言うことで、久しぶりにじっくり見てみました。 そして、「広島生変図」を見て、なぜ平山さんの作品が退屈なのかが解りました。 実際の被爆者である平山さんが広島の被爆を描くのに「原爆ドーム」しか選べないなんて。 被爆体験のない人や外国人が原爆の悲惨さを象徴するのに原爆ドームのイメージに頼るのは仕方がないでしょうが、被爆体験を持っていながら、「原爆ドーム」でしか被爆体験を描けないとは、なんと想像力が欠如した人なんでしょう。 すべてがステレオタイプな絵はがき的感性しか持っていないんですね。 ですから、京都の町並みも、シルクロードでもみんな月並みな表現で、絵をいくら眺めても新たな発見がないんですね。 常設展示も拝見しました。近代から現代に至る日本美術の変遷がよく解る充実した展示でした。 今回は川端龍子「草炎」と加山又造「?北宋(ほうほくそう)雪景水墨山水」にあらためて感激しました。 「約20名の作家による様々な「崩壊感覚」を集め、それらの多様な意味の広がりを、過去・現在・未来の時間の相と照らし合わせながら検討」するといった特集展「崩壊感覚」も興味深かったです。
by daisenhougen
| 2007-10-07 08:13
| 鑑賞記-展覧会
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