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「諏訪敦 絵画作品集 1995‐2005 」を読む

「諏訪敦 絵画作品集 1995‐2005 」を読む_d0001004_911874.jpg 「諏訪敦 絵画作品集 1995‐2005 」を読んだ。
 求龍堂、2005年08月15日発行、 2,625円、145頁。
 先日訪れた「諏訪敦絵画作品展」で買い求めました。
 収録されている作品は1995年から2005年までで、眠るひとたち15品、大野一雄・大野慶人10点、Japanese Beauty8点、肖像9点、深海8点の合計50点です。
 この中のかなりの作品が展覧会に展示されていましたので、思い返しながら何度も眺め返しました。図録代わりとしては十分です。
 でも、実際に見たときの品の質感はなかなか伝わらないですね。特にディテールまで描きこんだ職人的なクオリティの高さを印刷物で再現するのは難しいんでしょうね。現物見ることの大切さを再認識させられます。
 まぁ、たまに実作より印刷物の方が見栄えする作家もいますが、それこそ贋物の証明みたいなもんですね。
 これぐらい実作品と印刷物の差があると、諏訪敦さんは本物中の本物といえるんでしょうね。
 作品の図版の他に、大野慶人との対談がかなりスペースをとって収録されていました。
 非常に興味深かったのが、「《不可視の人 26歳・日本人・朝鮮国籍》製作過程」です。
 2000年11月25日の作業開始から2001年1月17日に大体の制作が終わったところまで写真と文章でドキュメント風にまとめてありました。雑誌に掲載されたものの再録のようですが、どんな風にこの緻密な作品を仕上げていくかがよく解りました。実際にモデルの寸法を計測するなんてのはびっくりしました。
 巻末には穂積利明「諏訪敦ー存在論の作家」ではコンパクトに諏訪作品世界を解説してくれています。納得ですね。
 
 ところで、この作品集は版元品切れ中で、amazonではなんと11,499円の値段が付いていました。
 諏訪さんは重版しない方針とご本人のブログに書いてましたから、展覧会場で定価で買えたのはかなりラッキーだったようです。わたしのお宝本になりそうです。

by daisenhougen | 2008-02-03 09:14 | 読書-詩歌小説評論他
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