堤未果「ルポ貧困大国アメリカ」を読んだ。
だいぶ売れているようで、店頭では品切れ状態が続いていて、ようやく入手できました。 アメリカ社会の現状レポートで、前半は貧困と肥満の関係、民営化による悲惨な現実、そしてべらぼうな医療費で貧困そうに転落する様子が克明に描かれています。 そして後半に入ると貧困層の若者が戦争の前線の兵士となって戦争の直接の担い手になっているばかりか、戦争の民営化によって貧困層が戦争にかり出されていく様子が描かれています。貧困層の創出と民営化が徴兵制の代替とはひどいですね。 いずれも特に目新しい情報ではなく、いろんな本や雑誌、TVなどで報道されています。でも、こういった風にアメリカの貧困層といったくくりでレポートされるとインパクトありますし、いろいろ考えさせられます。 アメリカの対するイメージとしては、最近少し陰りは見えつつあるとはいっても、一人勝ち状態で世界をリードし続けており、それは徹底的な民営化であり、その源泉は起業家精神あふれる自由な風土といったとこでししたね。 でもこの本では、その底辺にあるアメリカの陰の部分をクローズアップしています。 特に医療費のべらぼうな高さと、一旦病気になると、貧困層に転げ落ちてしまう様は超大国アメリカのとは思えないほどの悲惨さです。 岩波書店(岩波新書)、2008年02月15日第3刷(2008年01月22日第1刷)、735円、新書版、212頁。 著者の堤未果さんは生年月日未詳ですが、国際関係論を専攻して、現在はアメリカ関係のジャーナリスト兼ニュースキャスターのようです。 目次:プロローグ、第1章 貧困が生み出す肥満国民、第2章 民営化による国内難民と自由化による経済難民、第3章 一度の病気で貧困層に転落する人々、第4章 出口をふさがれる若者たち、第5章 世界中のワーキングプアが支える「民営化された戦争」、エピローグ。
by daisenhougen
| 2008-02-24 07:00
| 読書-詩歌小説評論他
|
by daisenhougen
検索
カテゴリ
全体 鑑賞記-コンサート 鑑賞記-展覧会 鑑賞記-映画 鑑賞記-伝統芸能他 鑑賞記録(まとめ) 読書-詩歌小説評論他 読書-展覧会図録 読書記録(まとめ) 雑誌など CD・DVD・ビデオ 買い物 オモチャ等々 街歩き・お出かけ その他 以前の記事
2013年 01月 2012年 12月 2012年 11月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2006年 01月 2005年 12月 2005年 11月 2005年 10月 2005年 09月 2005年 08月 2005年 07月 2005年 06月 2005年 05月 2005年 04月 2005年 03月 ライフログ
メモ帳
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||