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辻惟雄・大田光・田中裕二「異形のモノは美に宿る 日本美術史」を読む

d0001004_617239.jpg 辻惟雄・大田光・田中裕二「異形のモノは美に宿る 日本美術史」を読んだ。
 辻惟雄さんの続けて刊行された新書版の著作の最後です(他の2冊の感想はこちらこちら)。もっともこの本の刊行が一番早かったのですがね・・・。
 さてこの本はNHKで放送された番組を活字に起こして出版するという「爆笑問題のニッポンの教養」のシリーズの一冊です。このシリーズでは中沢新一さん登場の巻は読みました(感想はこちら)。
 辻さんの今までの著作の一端をチョッと披露してくれたって程度ですね。放送の対談の活字起こしですからこんなもんでしょう。太田光がチョッとでしゃばり過ぎかなぁといったとこですね。
 その中で辻さんの若い頃の回想が興味深かったです。
 「最初は西洋美術が好きだったんです。ピカソだとか、ダリだとか、ミロだとか、そういったちょっと気持ち悪いような近代美術が好きだった(中略)、だから、日本美術の中にも、ピカソみたいなものはないか、ダリみたいなものはないのかと探したんですよ」。そして蕭白、若冲の発見となったとのことです。
 だいぶ控えめの発言ですね。もちろん辻さんが若冲などの忘れられかけていた江戸の美術家を再び取り上げたことは重要ですが、やっぱり一番大事なのはその取り上げ方ですね。普通の学者さんたちの面白いのかツマンナのか判らないような美術評論と一線を劃した、辻さんの情熱に満ちた語り口が再評価のムーブメントを作り出したんだと思います。

 講談社、2008年02月、798円、新書版、129頁。
 目次:プロローグ サントリー美術館へ、第1章 狂える山水、第2章 江戸のアヴァンギャルド、第3章 ピカソは何がすごいの?、第4章 自然と遊ぶ日本人。

by daisenhougen | 2008-05-05 06:19 | 読書-詩歌小説評論他
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