アントニオ・ネグリ「未来派左翼 グローバル民主主義の可能性をさぐる(上) 」を読んだ。
イタリア左翼の先鋭的理論家ネグリに対するインタビューをまとめたものです。「帝国」などといったキーワードで、いま最もホットな思想家の入門的著作ですから手に取ってみました。 主張としては、体制化した左翼をバッタ、バッタと切り捨てながら、新たな運動体の芽を育てあげようといったところのようです。左翼運動の未来を探るといったとこでしたね。 ただヨーロッパを中心とした反体制運動についての知識がないと、ついていけない部分がかなりありました。もう少し訳注などを充実して欲しかったですね。 訳文もカタカナ連発で読み解くのはかなりしんどかったです。 原題はGood Bye Mr.Socialismですから社会主義への決別宣言といった表題です。これが日本訳となると「未来派左翼」ですから、ちょっと微妙な題名の付け方ですね。 下巻読んでから、感想続けます。 日本放送出版協会(NHKブックス) 、2008年03月30日第1刷、966円、B6、214頁。 著者のアントニオ・ネグリ(1933-)はイタリアの元バドヴァ大学教授で70年代にアウトノミア運動の中心となり、テロ事件との関わりの容疑をかけられフランス亡命といったすごい経歴の持ち主です。今回の訪日も拒否されたようです。 目次:1 さらば社会主義(社会主義はなぜ頓挫したのか―壁崩壊から考える、"共"はいかに発見されたか―パリのストライキから考える、"帝国"時代の戦争をどう捉えるか―ユーゴ紛争から考える)、2 マルチチュード出現!(運動はどう変化したのか―シアトルのデモから考える、ネットは運動にどう影響したのか―サパティスタの蜂起から考える、なぜ暴力は正当化されるのか―ジェノヴァのデモから考える、労働はどう変貌するのか―移民問題から考える)。
by daisenhougen
| 2008-05-08 07:00
| 読書-詩歌小説評論他
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