武田晴人「高度成長(シリーズ 日本近現代史8)」を読む

d0001004_12455396.jpg 武田晴人「高度成長(シリーズ 日本近現代史8)」を読んだ。
 このシリーズもそろそろ終盤に差し掛かってきましたね。
 今回は1954年から1985年までです。戦後復興からバブル前夜までのまさに高度成長の時期が対象です。
 もともと経済成長なんて言葉すらなかったところから経済至上主義に至る過程を克明に叙述しています。
 この時代はもちろんそういった一面もあるのはたしかですが、あくまで一面です。どちらかといえば、この時期はもっともっと政治的時代でした。経済中心でこの時代を総括するのには大きな違和感をおぼえますね。
 このシリーズは日本近現代史でしたよね。経済史ではないんですから、もう少しトータル的な視点での歴史を描いて欲しかったです。

 岩波書店(岩波新書)、2008年4月22日第1刷、819円、新書判、268頁。
 著者の武田晴人(1949-)さんは経済史専攻で東京大学教授とのことです。
 目次:はじめに 経済成長神話の誕生、第1章 一九五五年と一九六〇年―政治の季節(1 転機としての一九五五年、2 独立後の政治不安、3 保守合同と五五年体制、4 国際社会への復帰、5 春闘と三池争議、6 日米安全保障条約改定問題、7 五五年体制と戦後民主主義、 第2章 投資競争と技術革新―経済の季節(1 経済自立から所得倍増、2 投資とその制約要因、3 「技術革新」と新産業育成、4 「みせびらかしの消費」の時代、第3章 開放経済体制への移行―経済大国日本(1 ベトナム戦争下のアジア、2 開放体制への移行、3 証券恐慌と大型合併、4 大型合併と企業システム、5 「成長志向」への異議申し立て)、第4章 狂乱物価と金権政治―成長の終焉(1 二つのニクソン・ショック、2 沖縄返還、3 列島改造と狂乱物価、4 二つの石油危機、5 企業の社会的責任と金権政治)、おわりに 経済大国の陥穽、あとがき、参考文献、略年表、索引。

[PR]
by daisenhougen | 2008-05-09 07:45 | 読書-詩歌小説評論他
<< 雑誌「PLAYBOY (プレイ... アントニオ・ネグリ「未来派左翼... >>