人気ブログランキング | 話題のタグを見る

安田次郎「走る悪党、蜂起する土民(全集 日本の歴史 第7巻)」を読む

安田次郎「走る悪党、蜂起する土民(全集 日本の歴史 第7巻)」を読む_d0001004_14535773.jpg 安田次郎「走る悪党、蜂起する土民(全集 日本の歴史 第7巻)」を読んだ。
 この巻は後醍醐天皇の建武の新政から応仁の乱の戦国時代にいたる南北朝・室町時代の100年が対象です。
 わたしにはこの時代はどうも明確なイメージが掴めなかったのですが、この本でかなりハッキリしてきた気もします。
 群雄割拠といえば戦国時代と思ってましたが、もう、この時代からそうだったのですね。多元的で複層的な権力構造の中で、内乱と権力闘争を繰り返し、殺戮に満ちた世界が描かれていました。
 悪党や婆娑羅といったキーワードの説明も興味深かったですね。
 そして庶民がようやく歴史を動かす確かな力となった時代という指摘も納得できました。

 著者の安田次郎(1950-)さんは日本中世史専攻でお茶の水女子大学教授。
 目次:第1章 弓矢から打物へ、第2章 京都の幕府、第3章 婆娑羅、第4章 中夏無為の代へ、第5章 日本国王、第6章 合議と専制、第7章 飢饉・一揆・合戦、第8章 応仁の乱。
 小学館、2008年06月30日初版第1刷、2,520円、A5版、378頁。

by daisenhougen | 2008-07-20 07:03 | 読書-詩歌小説評論他
<< 「テンキー電卓機能付きマウス ... 四方田犬彦・也斯「往復書簡 い... >>