藤原新也「メメント・モリ」を読む

d0001004_12301620.jpg 藤原新也「メメント・モリ」を読んだ。
 刊行から25年にして21世紀エディションが刊行されました。旧版を愛読してきた、わたくしめとしては手に取らないわけにはいけません。
 ということで、早速、読んでみました。。
 冒頭から藤原ワールド全開で、一気に引き込まれてしまいました。熱心に読んだ頃が思い出されて、懐かしさに涙がちょちょぎれるといった感じでした。
 やっぱり藤原さんっていいなぁ、なんて改めて思ってしまいましたね。

 たまたま自宅に戻りましたので、懐かしの旧版を見つけ出しましたので、チョット比較してみました。
 やっぱりニューバージョンですから、旧版とはけっこう変更点が見つかりました。
 まず表紙の色が銀色に変わってます(旧版は金色でしたね)。判型も少々大きくなってました。そして何より価格も約、倍でした(旧版は980円)。
 そして肝心の内容ですが、写真22点、コピー21点を入れ替えたとのことです。
 チョット見ただけでは、「死の瞬間が、命の標準時。」から始まり、「ニンゲンは犬に食われるほど自由だ。」そして「あの人がさかさまなのか、わたしがさかさまなのか。」なんて決定的コピーと写真は変わりません。
 でも、細かく見ると結構いじっていますね。
 どちらかといえば荒々しい表現をソフトに、意味不明の表現や舌っ足らずな表現をわかりやすく直したといったとこでしょう。
 ただ、この変更によって、良くなったのかと問われれば、ちょっと疑問が残ります。
 旧版の頃は、長い旅の時期が終わり「東京漂流」を出版し、表現者としてピーク頃でしたね。そして、いろんな圧力と戦ってもいたと記憶しています。
 今回のバージョンでは当時の切迫感がすっかり抜け落ちている感じです。表現としていくら洗練されても、伝わってくるものはかえって希薄になってしまった気がします。
 まぁ、旧版と比較しなければ素晴らしい著作であるのは確かですけどね・・・・。

 目次:ちょっとそこのあんた、顔がないですよ、乳海、眠島、瞼心、蝶翳、紅棘、天鏡、汚されたらコーラン。
 三五館、2008年11月05日初版、1,890円、四六判、175頁。

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by daisenhougen | 2008-11-03 12:29 | 読書-詩歌小説評論他
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