四方田犬彦「日本の書物への感謝」を読む

d0001004_18593211.jpg 四方田犬彦「日本の書物への感謝」を読んだ。
 四方田さんの日本古典に対する感想文です。
 洋物専門かと思ってましたが、今度は日本古典まで領域を拡げてきたようです。
 四方田さんの博覧強記癖はとどまることなく、興味の方向が年相応に日本物に向かったということでしょうかね。
 ただ、やはり共通の教養環境が失われた世代らしく、幼青年時代から驚異的な読書遍歴を誇る四方田さんにしても、若き日の日本古典に対する体験はかなり貧弱なのがわかります。
 かつて、あまりに華麗な読書遍歴記を読まされて、エリート学者になる人って若き日からこんなに凄い読書をしているのかと唖然としていました。
 でも、この著作を読んで、日本古典に対する若き日の読書体験がかなり貧弱なのがわかりました。
 源氏物語も最近になって読んだなんてのも、ほほえましいですね(与謝野源氏だどうです)。
 かく言うわたしも、いまだ読んじゃいないんですから、偉そうなこと言えませんがね。読み始めた円地源氏、一体読み終えることができるんでしょうか・・・。
 万葉集事始めが茂吉の「万葉秀歌」だったというのは、わたしと同じでした。
 チョット懐かしかったですね。若き日に何度も読み返したことが思い出されます。赤版新書は、まだ自宅には残っているはずなので、再読してみたい気持ちになりました。
 四方田さんの博覧強記があんまり表面に出ていないだけ、すがすがしい著作でした。

 目次:前書、『古事記』、『出雲国風土記』、『竹取物語』、『万葉集』、『枕草子』、『源氏物語』、『今昔物語集』、『梁塵秘抄』、浦島太郎、『金槐和歌集』、『方丈記』、『歎異抄』、『正法眼蔵』、『徒然草』、『神道集』、『謡曲集』、『さんせう太夫』、『天地始之事』、芭蕉、井原西鶴、蕪村、平賀源内、上田秋成、鶴屋南北、後書。
 岩波書店、2008年10月30日第1刷、2,415円、四六版、263頁。

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by daisenhougen | 2008-11-16 06:12 | 読書-詩歌小説評論他
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