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荒川洋治「読むので思う」を読む

荒川洋治「読むので思う」を読む_d0001004_8493344.jpg 荒川洋治「読むので思う」を読んだ。
 荒川さんの読書にまつわるエッセイ集の最新刊です。
 今回は2007年6月以降、ほぼ1年間に発表された中から選ばれた66編です。
 いつもの荒川節ですね。
 荒川さんって本当に読書が好きなのが伝わってきます。
 本そのものだけでなく、内容見本なんて迄話題が及ぶのですから、本好きも半端じゃないですね。
 これほどの本好きの人の文章読んでいると、ついついその想いが伝染してしまい、取り上げられた本が読みたくなってしまします。
 そうそう「高等地図帳」(二宮書店)1600円も是非入手しておきたいです。
 この本の題名のもととなったエッセイから少しく引用しておきます。
 「本を読むと、何かを思う。本など読まなくても、思えることはいくつかある。だが本を読まなかったら思わないことはたくさんある。人が書いた作品ことがらやできごとはこちらには知らない色やかたち、空気、波長をもつ。いつも自分にはない思いをさそう。読まないと、思いはない。思いの種類の少ない人になり、そのままに。そのままはこまるので、ぼくも読むことにした。(中略)人は読んだら、思う。少しでも何かを思いながら生きてきた。」
 最後に後書きの末尾から。
 「これからも読んで、思いたい。思ったあとで、読みたい。」
 泣かせますねぇ。
 幻戯書房、2008年11月11日第1刷、2,320円、四六版、238頁。

by daisenhougen | 2008-12-17 07:47 | 読書-詩歌小説評論他
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