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「沖縄・プリズム 1872-2008」を見る

「沖縄・プリズム 1872-2008」を見る_d0001004_557377.jpg 昨日(12月20日)「東京国立近代美術館」で展覧会「沖縄・プリズム 1872-2008」を見た。
 沖縄と美術がなかなか結びつかないので敬遠していました(たとえば埼玉県とか千葉県とかそういったものをテーマにした美術展ってあんまり思いつかないのと同じですが・・・)。、
 でも、「こうした沖縄の光と影の強烈なコントラストは、数多くの画家、写真家、映像作家などの表現者を創作へと駆り立ててきました」といった宣伝文句に乗せられて、閉会間近ですが訪れてみました。
 「「沖縄・プリズム 1872-2008」展は、これまでの「沖縄」展の多くが琉球王朝期の工芸を回顧するものであったのとは異なり、近代という時代のうねりの中で、この地から誕生した、そして現在生成しつつある造形芸術を検証する初めての試みです。表現する主体として、沖縄出身の作家と本土から沖縄に向かった作家を織り交ぜながら、「外からの視点」と「内側の視点」の違いを意識しつつ、個々の作家の想像力の軌跡を辿ります。 絵画、版画、写真、映画、工芸等、様々なジャンルの作家34名それぞれの「沖縄」が乱反射する展示を通して、沖縄という場所の意味と潜在力を問い、この地から発信される未来の創造活動へと繋げていくことを目指します」とのことです。
 展示は「第1章 異国趣味(エキゾティシズム)と郷愁(ノスタルジア) 1872-1945」、「第2章 「同化」と「異化」のはざま 1945-1975」、「第3章 「沖縄」の喚起力1975-2008」といった区分となってます。
 いやぁ、閑散としていましたねぇ。パラパラとしか見ている人はいませんでした。かなり寂しい展覧会でした。
 肝心の展示の方ですが、第1章ひたすらエキゾチックな面が協調されています。第2章は政治的な思い入れの強い展示でした。そして第3章に至ると一転して、にぎやかな現代美術の展示といったおもむきになってました。
 それぞれがバラバラで、何かまとまりが感じられない、散漫な印象だけが残った展示でした。わたしには少々ハードルが高いかった気もします。
 まぁ、藤田嗣治「孫」なんて作品をはじめて拝見できたことで満足しておきましょう。
 そうそう、沖縄在住の現代作家の中では山城知佳子「アーサー女」という作品の生々しい濃密さがチョット気になりました。

 常設展示では版画コーナーでは「特集 山本容子「光の大地」」、写真コーナーでは「東松照明 「光る風・沖縄」と「京」」、特集展示では「新宿中村屋につどった人々――大正時代の芸術サロン」が展示してありました。
 「小松誠―デザイン+ユーモア―」なんていゆデザイン展も同時開催でした。
 なにか常設展示までまとまりがなかった印象でしたね。

by daisenhougen | 2008-12-21 06:56 | 鑑賞記-展覧会
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