牧原憲夫「文明国をめざして(全集 日本の歴史13)を読む

d0001004_7551189.jpg 牧原憲夫「文明国をめざして(全集 日本の歴史13)を読んだ。
 明治維新から憲法成立までの明治初期が対象です。
 まず最初に、口絵に山口晃さんの「開化風景 寄集図」が収録されてました。しかも見開きで。嬉しいことに拡大図まで付いていました。明治初期の賑わいが生き生きと伝わってきます。
 もうこれだけでもこの本買う価値ありですね。
 もちろん、内容の方も負けてはいません。
 ヨーロッパ発の近代化に否応なく席巻され、過酷に日本国家と一体化された住民の姿が多面的に描かれています。
 まさに近代化とはいったい何だったのかを考えさせられる著作でした。
 そうそう、福沢諭吉に対する著者の評価も興味深かったです。
 近代化をしゃにむに推進した悪しきイデオローグとしてとらえているようです。慶応閥中心のあまりの持ち上げかたに対しての冷静な評価と思われます。
 さらには、いわゆる天皇制が近代化とともに作られたものであり、その根拠の脆弱さも改めて示してくれます。
 政治的記述と民衆の動向に対する記述がバランスとれているのもよかったと思います。
 このシリーズの好調さは継続中ですね。

 著者の牧原憲夫(1943年-)さんは日本近代史専攻の東京経済大学非常勤講師。
 目次:第1章 幕末の激動と民衆、第2章 「御一新」の現実、第3章 自立と競争の時代、第4章 平等と差別の複合、第5章 近代天皇制への助走、第6章 「帝国」に向かって、第7章 国民・民権・民衆、第8章 帝国憲法体制の成立。
 小学館、2008年12月30日初版第1刷、2,520円、A5版、364頁。

[PR]
by daisenhougen | 2009-01-10 07:56 | 読書-詩歌小説評論他
<< 「博物館に初もうで」を見る 「週刊世界の美術館 第22号 ... >>