福井憲彦他「人類はどこへ行くのか(興亡の世界史20)」を読む

d0001004_11232892.jpg 福井憲彦他「人類はどこへ行くのか(興亡の世界史20)」を読んだ。
 遅れに遅れたこのシリーズ。再度刊行日を予告したのに再び遅れてしまいましたね。
 この巻も本来だったら最終配本にふさわしい内容でしょうに、中途半端に早めの刊行となったようです。
 一巻としては独立しないけれども、触れておくべきことを短くまとめておきましたといったとこです。まぁ、興亡の世界史補遺編といったところでしょうか。
 人口、海、宗教、アフリカ、世界と日本といった切り口から論じていますが、これほどの大テーマが短い文章で論じきれるワケがありませんね。
 いささか欲求不満が残ってしまいました。
 ただ松田素二さんの「「アフリカ」から何が見えるか」は素晴らしい論文でした。
 アフリカ問題はヨーロッパ近代そのものの問題であり、アフリカ理解の第一歩と信じられている、いわゆる「部族」もヨーロッパ植民地支配による虚構から出発しているとの指摘は目から鱗でした。
 この論文に出会えただけでもこの巻を読んだ価値はありますね。

 目次:はじめに(福井憲彦)、第1章 世界史はこれから 日本発の歴史像をめざして(杉山正明)、第2章 「100億時代」をどう迎えるか 人口からみた人類史(大塚柳太郎)、第3章 人類にとって海はなんであったか(応地利明)、第4章 「宗教」は人類に何をもたらしたか(森本公誠)、第5章 「アフリカ」から何が見えるか(松田素二)、第6章 中近世移行期の中華世界と日本 世界史のなかの日本(朝尾直弘)、第7章 繁栄と衰退の歴史に学ぶ これからの世界と日本(青柳正規/陣内秀信/ロナルド・トビ)、著者略歴、参考文献、索引。
 講談社、2009年04月24日第1刷、2,415円、四六変型、392頁。

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by daisenhougen | 2009-05-15 06:22 | 読書-詩歌小説評論他
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