人気ブログランキング | 話題のタグを見る

岡田温司「フロイトのイタリア」を読む

岡田温司「フロイトのイタリア」を読む_d0001004_11464184.jpg 岡田温司「フロイトのイタリア 旅・芸術・精神分析」を読んだ。
 岡田さんの西洋美術とキリスト教に関する入門書に多くのことを教えてもらい、さて今度は本格的な著作に挑戦ということで「肖像のエニグマ」を読んで、見事に跳ね返されてしまいました(その感想はこちら)。
 この著作も刊行されているのは知っていたのですが、撃沈するのが怖くて手に取るのをためらっていたのですが、読売文学賞を受賞して、そのインタビューで一般向けに読みやすさに配慮したとのことなので挑戦してみました。
 今回はフロイトとイタリア美術がテーマですね。
 フロイトの精神分析学の誕生には、イタリア旅行が重要な役割を果たしたということを、多くの書簡を駆使して実証しようという試みのようです。
 丁寧にフロイトが頻繁に試みた20回にも渡るイタリア旅行を辿りながら、その思想的な展開を描き出してくれています。
 確かに専門論文的な難しさを感じさせることなく、わたしのような門外漢にも興味深く読み通すことができました。

 目次:はじめに、Ⅰ イタリアからの便り、Ⅱ 「イタリアへ向かって」/「生殖器」、Ⅲ 「石は語る」、Ⅳ レオナルドとミケランジェロへの挑戦、Ⅴ イタリアのフロイト-カトリシズムとファシズムの狭間で、おわりに、参考文献、事項索引、人名索引。
平凡社、2008年7月25日初版1刷、3,990円、318頁。

by daisenhougen | 2009-05-20 06:46 | 読書-詩歌小説評論他
<< 「春画 江戸の絵師四十八人」を読む 田中優子「春画のからくり」を読む >>