兵藤裕巳「琵琶法師」を読む

d0001004_11505014.jpg 兵藤裕巳「琵琶法師〈異界〉を語る人びと」を読んだ。
 琵琶法師といえば耳なし芳一と平家物語といった知識があるぐらいですが、著者は日本人みんなが共有してるこのイメージを大切にしながら、その起源から展開、そして現在までを興味深く辿ってくれています。
 その時代時代の権力者との関わりや、死者とのつながりなど興味深い話題がいっぱい詰まってました。
 聖なるものでありながら賤民である両義性についても、時代毎にウェイトが変わっていく様も興味深い記述でした。
 付録として「最後の琵琶法師」といわれる山鹿良之氏(1901~96)の演奏映像が付いていました。独特のだみ声は迫力満点でした。

 著者の兵藤裕己(1950-)は日本中世文学・芸能論専攻で学習院大学文学部教授とのことです。
 目次:序章 二人の琵琶法師、第1章 琵琶法師はどこから来たか-平安期の記録から、第2章 平家物語のはじまり-怨霊と動乱の時代、第3章 語り手とはだれか-琵琶法師という存在、第4章 権力のなかの芸能民-鎌倉から室町期へ、第5章 消えゆく琵琶法師-近世以降のすがた、「俊徳丸」DVDについて、「俊徳丸」全七段・梗概、あとがき。
 岩波書店(岩波新書)、2009年04月21日第1刷、1,029円、新書版、207頁。

[PR]
by daisenhougen | 2009-05-22 06:50 | 読書-詩歌小説評論他
<< 宮永美知代「美女の骨格」を読む 「春画 江戸の絵師四十八人」を読む >>