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2007年 03月 17日 ( 1 )

岡田温司「『ヴィーナスの誕生』視覚文化への招待」を読む

d0001004_712307.jpg 岡田温司「『ヴィーナスの誕生』視覚文化への招待」を読んだ。
 みすず書房、2006年4月21日発行、1,365円、四六判、168頁
 目次を写しておきます。はじめに(ルネサンスの「誕生」としての《ヴィーナスの誕生》/オリエンテーション1/オリエンテーション2/オリエンテーション3)、第1回 絵を見る(作品の観察と記述 その1/作品の観察と記述 その2/パノフスキーによる「解釈の三段階」/神話のシナリオと絵画のシナリオ/図像の源泉――古代との関係/生きつづける異教世界/注文主をめぐって)、第2回 絵を読む(《春》/新プラトン主義に基づく解釈とその問題点/「祝婚画」/ボッティチェッリとメディチ家)、第3回 絵を楽しむ(ヴァールブルクとブルクハルトの遺産/イル・マニーフィコ時代のフィレンツェの祝祭とボッティチェッリ/ジョストラとその旗絵/フィレンツェの「ニュンフ」とシモネッタ夫人/さまざまなるヴィーナスたち)。
 「理想の教室」シリーズの一冊でボッティチェッリの「春」と「ヴィーナスの誕生」を読み解くことで、美術講義をする企画です。
 でも、岡田温司さんの著作ですから、生半可な美術入門書ではありません。「見る」、「読む」、「楽しむ」といった視点から、絵を見るというのは、こういうことなのかと教えてもらえます。しかも極めてスリリングな切り口でさばいてくれています。
 「マグダラのマリア」や「処女懐胎」がキリスト教との関連で読み解いたのですが、今回の著作はフィレンツェ、メディチ家との関係、カーニバル的空間との関連等々、もう少し広い観点から読み解いています。
 ともかくも知的好奇心をビンビン刺激してくれる著作でした。

by daisenhougen | 2007-03-17 07:11 | 読書-詩歌小説評論他