人気ブログランキング |

2008年 05月 02日 ( 8 )

「冒険王・横尾忠則展」を見る

d0001004_9575246.jpg 昨日(05月01日)「世田谷美術館」で展覧会「冒険王・横尾忠則展」を見た。
 ゴールデンウィーク美術館三昧初日の最後は横尾忠則さんでした。久しぶりの横尾ワールド堪能させてもらいました。
 横尾さんのまとまった展示は2002年に「東京都現代美術館」で開催された「横尾忠則展」以来ですね。この時の最新作はY字路シリーズでしたね。
 さて今回の展示。最初は「プロローグ ルソーの謎」からスタートです。アンリ・ルソーの作品を横尾流にパロディ風に描きなおした作品が22点も並んでいました。全て初公開の最新作とのことです。

d0001004_958853.jpg 次が「第1章 予感/選択」。こちらは<Y字路>シリーズの大作がバーンと並んでおり、更に「第2章 旅のはじまり」、「第3章 少年は冒険を好む」と続きます。
 そして「第4章 冒険の時代-横尾忠則1960~70年代の仕事」ということで懐かしきイラストレーター時代の原画が大量に並んでいます。
 「第5章 創造の冒険-夢・コラージュ・反復・名画」、「第6章 戦士の休息」と再び大作が展示され、最後が「第7章 冒険は終わらない」として<Y字路温泉>シリーズで締めくくっています。 圧倒的パワーと強烈な毒にあてられっぱなしでした。
 大作を次々と制作するエネルギーの源はどこにあるんでしょう。
 「東京都現代美術館」で<Y字路>シリーズを見た時は、横尾忠則さんもいろんな横道を経たけれども、とうとう正統的な絵画手法による作品を制作する道を歩んでいくのかなぁと思っていました。
 でも、まったく誤解でしたね。
 横尾さんはイラストレーターの頃から変わっていないんですね。
 ものすごく器用な書き手であり、若い時はイラスト描きだったのが今は油絵になってるだけですね。器用さをいかして油絵手法はすっかり一流になってるようです。
 そして横尾さんの本質は、時代に敏感に反応するリトマス試験紙であり、その手法としてはパロディとコラージュなんですね。
 決して作品1点、1点の完成度を高めることを目指したりしていないし、時代を超える傑作を追求する作品達ではないようです。
 なにはともあれ、この強烈なエネルギーにはすっかりあてられました。美術館三昧初日を締めくくるにふさわしいヘビーな展示でした。

 図録買ったので、読んでから感想続けます。

by daisenhougen | 2008-05-02 10:01 | 鑑賞記-展覧会

「春の優品展」+「国宝 源氏物語絵巻」を見る

d0001004_9563586.jpg 昨日(05月01日)「五島美術館」で展覧会「春の優品展 水墨画・古筆と陶芸」及び「特別展示 国宝 源氏物語絵巻」を見た。
 この美術館の最大のお宝「国宝 源氏物語絵巻」はこのゴールデン・ウィークの時期だけしか公開されません。なかなか厳しい制約ですが、ようやく念願かなってご対面できました。
 今回は「館蔵品の中から、絵画(室町時代の水墨画・近代日本画)、書跡(平安・鎌倉時代の古筆)と陶芸(桃山・江戸時代のやきもの)の名品約60点を選」んだ展示とのことです。
 まぁ書跡や陶芸はわたしの守備範囲外ですし、南宋時代の水墨画や室町時代の水墨画もなかなかハードル高かったですね。
 結局は近代日本画の大観「水温む」や川合玉堂「高嶺新雪」などに巡り会ってホッとしました。 さて肝心の「源氏物語絵巻」ですがこの美術館が所蔵するのは鈴虫一・鈴虫二・夕霧・御法の4点です。
 以前に徳川美術館所蔵の「東屋一」を「大徳川展」で拝見したことがあります(この時の感想はこちら)。この時は発色が鮮やかだった記憶があるのですが、今回展示された鈴虫一・鈴虫二・夕霧・御法の方は痛みが激しい感じがしました。色飛びが甚だしく、平安王朝の雰囲気を伝えるにはだいぶ厳しい印象でした。
 でも、本物は本物です。歴史的傑作として有り難く拝見させてもらいました。
 この本物と一緒に加藤順子模写による復元模写が一緒に展示してありました。こちらも以前に「よみがえる源氏物語絵巻~平成復元絵巻のすべて~」展で拝見したことがあります(その時の感想はこちら)。
 こちらはもちろん鮮やかに甦った色彩が素晴らしいです。
 こうやって本物の歴史的雰囲気と復元模写の鮮やかさを一緒に拝見するのが一番贅沢な鑑賞法なのかもしれませんね。大満足の展示でした。

by daisenhougen | 2008-05-02 09:57 | 鑑賞記-展覧会

「知られざる鬼才 マリオ・ジャコメッリ展」を見る

d0001004_951353.jpg  昨日(05月01日)「東京都写真美術館」で展覧会「知られざる鬼才 マリオ・ジャコメッリ展」を見た。
 日本でのまとまった展覧会ははじめてというイタリア人のアマチュア写真家マリオ・ジャコメッリMARIO GIACOMELLI(1925-2000)の作品展示です。
 展示は「この憶い出をきみへ伝えん(遺作)」(1998-2000)、「夜が心を洗い流す」(1994-1995)、「愛の劇場」(1984-1986)、「スプーン・リヴァー」(1971-1973)、「自然について知っていること」(風景)(1954-2000)、「樹木の断面」(1967-1968)、「私には自分の顔を愛撫する手が無い」(若き司祭たち)(1961-1963)、「男、女、愛」(1960-1961)、「ジプシー」(1958)、「スカンノ」(1957-1959)、「プーリア」(1958)、「善き大地」(1964-1966)、「ルルド」(1957-1959)、「死が訪れて君の眼に取って代わるだろう」(ホスピス)(1954-1983)、「初期の作品群」といったようにほぼ逆順で展示してありました。
 全てがジャコメッリ本人によるオリジナルプリントとのことです。

d0001004_9515248.jpg
 素晴らしい写真家に出会えました。
 そしてすっかり引きこまれてしまいました。
 圧倒的な存在感を示す作品達です。
 こんな素晴らしい作品達が日本に今まで紹介されてこなかったなんて・・・。
 モノクロームの中に強い光のコントラストが浮かび上がらせる光景は、具象を突き抜けて抽象とも言えるような作品となっています。
 具象しか表現できない写真という制約を軽々と飛び越えて、写真表現の極地のような境地に達していますね。
 写真表現は多様な試みを行っていても、どうしても二番手以下であり続けていました。ところがこのジャコメッリの作品は全ての芸術表現シーンの最前線に軽々と達しているではありませんか。

d0001004_9521158.jpg
 人間の存在と精神の奥底まで達した表現たり得ています。
 もはや表現形態が何であれ、心を揺さぶる表現そのものです。
 こういった作品がイタリアの田舎町で一生を送ったアマチュア写真家が達成したことが驚きではありますが、もしかしたら必然だったのかもしれません。
 コマーシャリズムのまっただ中に有り続け、多くの人に見られることが存在意義であるプロ写真家では、こういった表現に至ることはありえませんものね。
 ともかくも、わたしにとってマリオ・ジャコメッリに巡り逢えたことは、今年最大の収穫です。
 図録買ったので、読んでから感想続けます。

by daisenhougen | 2008-05-02 09:52 | 鑑賞記-展覧会

「シュルレアリスムと写真 痙攣する美」を見る

d0001004_9474141.jpg 昨日(05月01日)「東京都写真美術館」で展覧会「シュルレアリスムと写真 痙攣する美」を見た。
 「写真とシュルレアリスムの関係に注目した国内初の大規模展です。シュルレアリスムの全貌を問い直し、「シュルレアリスムとは何か」という問いかけから、「写真とは何か」という問いかけに繋がる考察の場として、そのユニークな視覚世界を約200点でご紹介」とのことです。
 「都市に向かう視線」、「都市の中のオブジェ」、「ボディー、あるいは切断された身体」、「細部に注がれた視線」といった区分で展示されてました。

d0001004_9475710.jpg こちらは先ほどの「紫禁城展」とは対極にある写真展ですね。写真の持つ記録性を超えたところを目指した写真表現です。
 ただ皮肉なことに、こういった歴史的表現であるシュルレアリスムを回顧した展示を見ることは、記録性を超えた表現を目指した「記録」として見ることになってます。
 シュルレアリスムの写真といえばマン・レイあたりが真っ先に思い浮かびますが、今回はもっと大きな枠組みから多様な表現が愉しめました。

 図録がわりの特集号買ったので、読んでから感想続けます。

by daisenhougen | 2008-05-02 09:48 | 鑑賞記-展覧会

「紫禁城写真展」を見る

d0001004_9453033.jpg 昨日(05月01日)「東京都写真美術館」で展覧会「紫禁城写真展」を見た。
 日本人の写真家・小川一真が1901年に紫禁城(現・故宮博物館)を写した写真の展覧会です。まさに清朝末期における栄華の跡が写し取られています。
 写真の持つ大きな特徴である記録としての側面が前面に出た作品です。
 紫禁城に関心を持った人とか建築史的に興味を持った人、中国遺跡に関心持った人とかには興味深い展示なのかもわかりませんね。
 いずれにも関心のない、わたし的にはチョット退屈な展示でした。

by daisenhougen | 2008-05-02 09:46 | 鑑賞記-展覧会

「中西夏之新作展 絵画の鎖・光の森」を見る

d0001004_9434252.jpg 昨日(05月01日)「松濤美術館」で展覧会「中西夏之新作展 絵画の鎖・光の森」を見た。
 中西夏之さんという画家については全く知りませんでした。たまたま目にしたチラシの感じが心惹かれたので訪ねてみました。
 この美術館ではいつものことですが、入館料がたったの300円ですから、気楽に出かけられますね。
 さて中西夏之さんは1935年東京生まれ、東京藝術大学美術学部絵画科(油画専攻)卒で1962年には高松次郎、川仁宏らと共に、山手線プラットホームや車内で卵型のオブジェをただ舐め続ける「山手線事件」というハプニングを行うなどして注目される。また高松、赤瀬川原平らと芸術集団ハイレッド・センターを結成し、数多くのパフォーマンスを実践。1970年代から平面作品を主にし、油彩による連作品を発表。作家と現実空間との緊張関係を主題にした思考性の強い作品を数多く制作しているとのことです。
 さて今回の展示は4年ほど取り組んできた未発表の新作30点ほどが、2フロアー全部を使って展示してありました。
 作品名も「背・白 edge」、「R'Line」、「背・円 背後からの白」といった意味不明の連作です。
 どの作品も描かれているのは紫や白の極めてシンプルな色遣いで、ツタともブドウとも星とも光とも思える具象と抽象の間にあるような粒粒が描かれています。
 表現の先端を走っているというよりも、どちらかといえば古典的表現であり、装飾的な印象も受けました。経歴とは違うイメージでしたね。
 さらに個々の作品がどうのこうのというのではなく、これらのシリーズ全体で一作品といったとこですね。
 一挙に引きこまれると行った作品ではないんですが、何か気になる作品でした。
 
 たった1,000円ぽっきりでしたので図録も買ってしまいました。読んでから感想続けます。
 

by daisenhougen | 2008-05-02 09:44 | 鑑賞記-展覧会

「屋上庭園」+MOTコレクション「新収蔵作品展」を見る

d0001004_9411143.jpg 昨日(05月01日)「東京都現代美術館」で展覧会「屋上庭園」及びMOTコレクション「新収蔵作品展-『賛美小舎』上田コレクションより」を見た。
 まず「屋上庭園」ですが、「自然光の差し込む3階展示室を屋上庭園と捕らえ、庭をめぐる近現代作品を紹介する」とのことです。
 展示は10のセクションに別れていて、「グロテスクの庭」、「庭を見つめる」、「掌中の庭」、「アトリエの庭」・・・・・といった具合です。
 最初のコーナーはニコラ・ビュフさんという人の部屋いっぱいを使った、ピカピカの現代作品からスタートです。

d0001004_9412510.jpg ところが次は一転して河野道勢さんや牧野虎雄さん、そして版画同人誌などといった古めの作品に至ります。
 そして終盤にさしかかると内海聖史さんの「三千世界」、「色彩の下」の二つの大作がドーン展示してあります。
 そして最後には冗談みたいに須田悦弘さんの「ガーベラ」なる小さな作品が置いてあって終わりです。
 かなり奇を衒った展示ですが、見終わった印象としては、自前で所蔵しているコレクションをごっちゃまぜで並べてみましたといった感じがしました。
 もう少し、まとを絞った方が良かった気もします。常設展示じゃないんですからね。
 でも、まぁ、展覧会としてのまとまりはなかったのですが、個々の作品には心惹かれるのもありましたね。
 
 図録まで買ってしまったので(展示リストがないこともあってですが)、読んでから感想続けます。

 常設展示コーナーは通常のコレクション展示は止めて、「賛美小舎」上田コレクションの展示とのことです。
 このコレクションは個人コレクターが20年間にわたり収集した現代美術作品のコレクションを65点ほどこの美術館に寄贈したとのことです。そのお披露目といったようですね。
 数名を除き、ほとんど知らないアーチストたちでした。わたしには波長の合う作品はそんなにありませんでした。こればっかりは好みですから問題ないですし、多様な作品を展示する試みは続けて欲しいですね。
 岡本太郎「明日の神話」は展示継続中でした。もうそろそろで渋谷に移動かもしれませんので、その前にじっくり眺めておきました。

by daisenhougen | 2008-05-02 09:42 | 鑑賞記-展覧会

「大岩オスカール展」を見る

d0001004_938854.jpg 昨日(05月01日)「東京都現代美術館」で展覧会「大岩オスカール展」を見た。
 ゴールデン・ウィーク後半戦スタートしました。美術館三昧で過ごす予定してます。果たして幾つ訪れることができるでしょう。とりあえずは20箇所ぐらいが目標としておきます(数じゃないです、質ですよね)。
 さて初日の栄えある一件目は新進アーチストの大規模個展からスタートです。
 「大岩オスカール氏は1965年、サンパウロ生まれ。物語性と社会的風刺に満ちた作品を描くアーティストだ。これまで多くのグループ展やコレクション展やパブリックアートを通じて紹介されるほか、数々の受賞によって高い評価を得ている。同展覧会は国内では初めて大岩氏の活動の全貌を一望する大規模な個展となっており、サンパウロ時代の初期作品から最新作「Nightmare(悪夢)」シリーズまで、約70点の作品とあわせて全貌を紹介する」とのことです。

d0001004_9384296.jpg 大岩オスカールさんの作品をまとめて拝見するのは初めてです。単品での展示は何度かお目にかかっていて気になる存在でしたが、ようやく全貌に触れることができました。
 描かれている内容は廃墟であったり、工場であったり、戦争であったりと社会性を帯びており、風刺的であったり諧謔的ですらあります。
 でも、その描き方はカラフルであり色彩的な喜びに満ちあふれて、装飾的ですらあります。このアンバランスとも言える描き方に引きこまれてしまいます。
 甘い世界と思って近づくと、思いっきり苦い毒が散りばめられているといった具合です。
 すっかり引きこまれてしまいました。

 図録とDVD付きの画集まで買ってしまいました。読んでから感想続けます。そしてもう一度は訪れたいですね。

by daisenhougen | 2008-05-02 09:39 | 鑑賞記-展覧会