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2008年 07月 05日 ( 1 )

映画「告発のとき」 を見る

d0001004_1349637.jpg 昨日(07月05日)「TOHOシネマズ」で映画「告発のとき」を見た。
 ポール・ハギスさんの脚本および監督作と言えば見逃すわけにはいけません。
 脚本ではクリント・イーストウッド監督とコンビを組んだ「ミリオンダラー・ベイビー」、「父親たちの星条旗」、「硫黄島からの手紙」のいずれも超一級の感動作でした(その感想はこちらこちらこちら)。監督デビュー作の「クラッシュ」も素晴らしかったですね(その感想はこちら)。
 さて今回の作品は、2004年5月号のプレイボーイ誌に掲載されたイラク帰還兵の失踪事件の実話をもとにして作られたとのことです。
 イラク戦争に従事することで精神を病んでしまい、平和なアメリカ本国に帰還しても殺人すらも平気で犯してしまうことを冷徹に描いています。
 失踪した息子捜しから始まるストーリーは、息詰まるようなテンポで進行し、軍の隠蔽体質、警察と軍の縄張り争いと談合、警察内部のセクハラ等々アメリカ社会の断面を見事に捕らえています。
 そして息子が同僚に殺されており、その殺された息子も又、単なる被害者ではなくイラクで人質の傷口に手を突っ込むという残虐な行為を行っており、同僚と同じように精神が崩れていたといった衝撃的であり絶望的な結末に至ります。
 アメリカが圧倒的支持のもとで始めたイラク戦争が、膨大な残虐行為の後に、アメリカ人自身に与えた大きなダメージが浮かび上がってきます。
 心に多くの波紋を投げつける素晴らしい作品でした。
 ところで、アメリカ本国ではどんな評価だったんでしょうか、チョット気になりますね。
 いずれにせよ、綿密に練り上げられた脚本ですね。多くの伏線が張り巡らされている作品で、緊張を強いる作品でした。
 主演のトミー・リー・ジョーンズとシャーリーズ・セロンは二人ともに素晴らしい演技でした。
 原題のIN THE VALLEY OF ELAH(エラの谷)は旧約聖書「第1サムエル記」の第17章にあり、ダビデと怪獣ゴリアテが戦った谷のこととのことです。
 勝つ見込みのない戦いに奇跡的にダビデが勝利するといった内容のようですが、ハギス監督はこの話をイラク戦争に従軍する若者に例えているようです。

 2007年、アメリカ、ムービーアイ、原題:IN THE VALLEY OF ELAH。
 監督・脚本・製作:ポール・ハギス、出演:トミー・リー・ジョーンズ、シャーリーズ・セロン、スーザン・サランドン、ジエームズ・フランコ、ジェイソン・パトリックほか。

by daisenhougen | 2008-07-05 07:48 | 鑑賞記-映画